こんばんは
菊次郎です

新築外構工事と合わせてウッドデッキをご希望のお客様の工事が終わりました。1人で完成させるにはかなりのボリュームだったので外構部分は古くから付き合いのある協力会社にお願いしてウッドデッキの作成を担当致しました。

私は天然木を使ったウッドデッキしか作りませんがここでデッキの種類について大まかに説明します

ウッドデッキは大きく分けて3つの形態があります。①製品となって流通しているユニット物 ②人工材を使って作る物 ③天然木材を使って作る物 の3種類です

それぞれに良い所・悪い所があります
①の製品版は完成度は高いがメーカー物なので価格が高い、デッキ形状の自由度が低い。デッキは人工材で紫外線による劣化が起こる。良い点は作りが簡単なので大工じゃなくても(誰でも)作ることができる

②の人工材は紫外線による経年劣化で早期に歪みたわみが発生する、おがくずと再生プラスチックを混ぜて作る板材なので繊維質がなく荷重に弱く折れたり欠けたりすることがある。良い点は色の変化が少ない

③の天然木材は紫外線による経年退色がある、完成後数ヶ月間赤色のアク汁が出る。木造構造に対する知識や技術が必要で経験者でなければ作れない。良い点は繊維質を含むので板自体に折れや曲がりに対する強度があり構造部分を簡素化できる、ハードウッドは良い物は20年以上の耐久性がある。加工の自由度が高い

このように一口にウッドデッキといっても様々な条件がありまして、選ぶ方からしたら???になってしまうと思います。なので弊社では当初からデッキは天然木材をオススメしていますし天然木材でしか作りません。

理由は簡単で安くて!強くて!長持ち!だからです

色は10年ぐらいで退色するかもしれませんがそのシルバーグレーの落ち着いた色合いも美しいものです。

素敵なウッドデッキを作りました

ハードウッドの中にも種類があって南米のイペ材が最高級、水に強く腐らない。比較的手頃な値段でイペと同程度の腐食性・耐候性を持つ材がアマゾンジャラとウリンです。 上の写真はウリン材で作ったもので私がウリン材をよく使うのは色合いが現代の建物に似合うと感じるからです

ハードウッドは世界中で需要があるため良い材料は今、中国にアメリカに行ってしまいます。売る方からしてみれば高く大量に買ってくれる所に売りたいわけですからこれは仕方がありません。輸入材全般に云える話です。 10年前に比べて最近日本に入ってくるハードウッドはヨレ・反り・曲がり・ささくれが多くなった気がします。 購入した材料の一部にハネモノも混じってくるようになりました。

そういったデメリットを含んで考えてもユニット製品よりは安く出来るし形状も自由度が高く、人工材に比べて強さもある総合的に見てデッキはハードウッド材で作ると云う事になります

私は時間をかけて一枚一枚裏表を見て吟味し曲がりの強い材は隅の方で使ったり、色の悪い材は構造部分に使ったりして素材をやりくりしています。まるで一流料理人のおいしい料理のように美しいデッキを作るようにしています。 

階段も現場に合わせて作れます

キレイに出来上がったウリン材のデッキですが同じ構造を人工材で作るのは難しいです。まず人工材はビスで留めようとすると板が中空構造になっているためビス留めができません。リブ(板の側面)を押さえる人工材専用の作り方がありますがあれは作りの自由度が低いためダメです。材の見た目もプラスチック感が強く非常に安っぽくて私は大嫌いです。

収まり良くできました

お客様と使い方を相談しながら作り上げたウッドデッキです。今回は水道がデッキの上に設置される構造なので水道工事のノウハウも必要になってきます。長年の経験から漏水なくとてもキレイに仕上げることができました

水栓の位置も使い勝手良く変更しました

図面では掃き出し窓の前にあった水栓でしたが人の動線を考えると窓の前に水栓があるのは不便になるとお客様に説明して現在の位置に移設しました。お客様の考えを第一に優先して次に長年携わっているプロからの意見を伝えその理由もはっきり伝えます。私が理解できていないお客様の想いもあるので何を一番に考えていらっしゃるかその場の雰囲気も含めて理解を進めるようにしています

今回のケースは建築段階でそう決めてしまい給水と排水が窓の前にあるのでもう移動できないですよね?というご相談だったので大丈夫ですお任せください!と伝え今の位置に決定しました

お客様も外構工事はそう何度も経験することではないので出来上がりのイメージが作り手よりもハッキリしていないのが普通です。そこをなんとか作り手のイメージと同じものを共有できるように手書きの図だったり実際に仮置きしてみたり工事の進捗を毎日説明してみたり、そういう努力は惜しみなくしています。

お客様も毎日少しずつ出来上がってくる工事の進歩を楽しみにしていらっしゃるので私が帰ったあとに気持ち良く進歩が確認できるよう毎日の掃除、道具の整理整頓は欠かせない仕事になっています

コーナーのおさまりも気持ち良く

毎日の工事の進歩を見て楽しんでもらいたいと思っている工事人は多分私1人と思います笑 私はもともと造園屋で外構工事も庭作りの一環として捉えていて庭作りはオーナーと作り手のコール アンド レスポンスだと思っているのでオーナー様からのご要望、コールに作り手が反応して相互作用して生まれるのが個人邸の庭の完成形だと考えているからです

常々、外構工事は必需品で造園工事は趣味の物と考えていますが外構工事でもたとえオーナー様が工事をお願いするのが初めての方だったときでも要望を伝えやすい雰囲気作りやコミニュケーションを大切にしてお客様の本当の気持ちを聞けるように心がけています。 日々進捗を楽しんでもらいながらお客様が気がついた事はすぐに工事に反映してまた疑問や質問には理解が進むまでご説明するようにしています

元請がいて下請けの職人の場合、お客様から来た要望を一旦現場監督を通じて元請本社で話し合う必要があり現場の職人さんに伝えても元請けと話してください。で終わってしまいます。 ダイレクトに工事に反映すると元請をすっ飛ばす事になり工事の責任やお金の問題も変わってくるので下請けの職人さんは図面通りに黙々と工事を進めるという事情があります

実はそれが普通で一般的です。
お客様と相互作用して作り上げるなんて時間はかかるし見積もった金額は変わってきちゃうしで、決まった内容を図面通りに作る方が遥かにラクで早い。みんなそうなんです。

ただ私はお金や時間よりも作ったものでお客様を幸せにしたい。想像以上の品質でご提供して感謝されるようなモノ作りがしたいという気持ちが強いのでコール アンド レスポンスから生まれる工事を大切にしています

デッキ以外の外構工事も素敵になりました

今回は関係会社に助けてもらった外構部分もとてもキレイに納めてもらいました。外構工事に特化した人で施工の精度が高くスピードも出せる人なので助かります。人当たりも良くお客様からの評判もとても良い人です

オリーブの木を植えました

植木を仕入れている卸会社もこちらの細かい要望に応えてくれるとても親切な業者さんでシンボルツリー1本の注文にも植えマスの大きさを伝えれば入る大きさに根鉢を作ってくれるし枝張りの希望も1本でも見劣りしない立派な物を選んでくれます。

一つの現場をしっかり完成させてお客様に大満足していただけるまでには協力会社の良し悪し、材料会社の良し悪し工程団取りの良し悪し、価格品質の良し悪しなど目に映らない努力がぎっしり詰まってます。

そんな他にはない楽土庭園だけの仕事がまた一つ完成してお客様に大変喜んでもらえる結果となり無事終了しました。 末長く楽しんでいただける素敵な外構になりました!

ではまた!

投稿者

kikujiro

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