こんにちは
菊次郎です

いつも気ままに綴っているこの日記のようなブログですが最近ではお客様に読んだよって言われる事も多くなり普段、仕事中でなかなかお話できない私の庭作りの系譜を今日は話してみたいなと思います。

最近、同じことを何度も話す病(老化ともいう笑)になっているので過去の記事で重複する内容があったらごめんなさい

これは巡り合わせか、偶然か、意思ある処に道は開けるという言葉通り私はとても良い師匠に恵まれました。短い間でしたが八王子に事務所を構える株式会社 耕水の湊真人氏に庭作りを教えていただきました。湊氏の庭はひとことで云うと大胆で繊細な相反する二つの要素が湊さんを通じて庭になって現れるという感じでやはりこの感性がなければできないな、という庭をいくつも見てきました

石の使い方の大胆さ
植栽の扱いの繊細さ
設計デザインの素敵さ
時折、思いもしない大胆な発想など

どれをとっても湊真人さんでしか作ることができない庭の風景で和風や洋風という枠にとどまらない自由でおおらかな空間でした。幸いなことに私はその庭の凄さを感じることができて、花が咲き石が濡れる生きた庭に心奪われました。

湊社長が中心になり息子さんが現場を指揮し3人から4人体制でたくさんの庭を作ってきました。入門を志す人も数人いましたが社長の本気で人を育てるという気迫、例えるなら家系ラーメン総本山の吉村実氏のような

(さすがに鍋で叩かれたりはしませんでしたが。。笑)時に厳しい造園の教えに耐えかねて辞めて行く人の多い中、なんとか私は残りまして、ようやく入社を打診されました。きっと私は社長の迫力や言葉に怒るだけではない何かを感じていたのだと思います。

ある朝の8時、私1人で横浜の現場作業がありそろそろ出発するぞというタイミングで社長が現れ、恒例の湯呑みでコーヒーを飲む儀式が始まります。外でもなく内でもない社長の世界観のような空間でこっちは急いでいるのにソファーに深く座りかつての話が始まります。「社長、現場なんで自分そろそろ行きます、、」といっても話は止まず時計を見れば10時を過ぎました。諦めた気分でいると急に話が変わり湯沢さん今日横浜の現場はどうなっているんだ!?こんな所で何してるんだ!と詰められる。という破茶滅茶な毎日でした

一緒に行動する事が多かったので当時、社長が勤めた庭作りの名匠を多く輩出した綜合庭園研究室の話や社長の師匠にあたる日本を代表する造園家の中島健氏の話をよく聞きました。研究室という名が付いているだけあって庭とは何かという答えを追求する中島健氏を中心とした超一流の会社で現場を重視し知性と技術を兼ね備えた造園家を育てる場所だったそうです

中島健といえば代表的な庭として吉田茂の大磯別邸の庭や田中角栄の邸宅の庭 モントリオール万国博覧会の日本館の庭園など有名な庭園がいくつもあります。

すごい人だったそうで社長の話で覚えているのは中島健といえば中島飛行機の創業者である中島知久平(なかじま ちくへい)の甥にあたり事務所のある仙川から新宿まで私有地だけを歩いて行けたとか、田中角栄の庭を作るにあたり関越道を故郷の新潟まで通し有事の際には飛行機を離着陸させることができるようアスファルトを厚さ40cmで何キロも打設したとか、公共事業の見積もりを巻き物に水墨画を描いて(3億円)とだけ書いて提出したとか。当時の政財界に幅広く通じていて日本の現代造園の巨匠であり世界中に日本庭園の美しさを広めた、私からすると師匠の師匠という方です

中島健氏や湊社長に通じる特徴として現場を非常に大切にしていて代表自ら庭作りにあたるというスタイルがありこれは私を含め湊社長から教わって庭作りをしている系譜の皆に共通する特徴だと思います。

もうひとつ湊社長から教わって今も忘れないのは
庭を作るという事が住んでいる人にとって非日常なのだから工事の進み具合を日々、楽しんでもらえるよう毎日の終わり仕舞いをきれいに整えるという言葉。

私はこの言葉に常日頃、真理を感じていて庭に携わる者の作法とマナーであり先代から続く庭への向き合い方の片鱗を感じさせます

作庭を一種のショーと捉え、主の庭で繰り広げられる優れた技を持つ作り手の共演
お客様がいらっしゃるときはいかに作業中であろうとも背を向けるな。正確には尻を見せるなと教わることもありました。

多くの造園人を育てた湊社長の株式会社 耕水は今も八王子市にあり息子さんの卓馬氏と共に庭作りを行っています。社長の甥っ子にあたる悠氏も稲城市で遥アンビエントという名で作庭をしているそうです。私は国立市で楽土庭園を作りました

巨匠中島健が目指した「自然との共生」から続く日本の造園史の大きな系譜の上に私も続いているぞ!と信じてこれからも作り手と使い手が共に作り上げる素敵な空間作りを目指していきたいなと思っています

今日もますます語りが長かったです!
最後まで読んでいただいてありがとうございます
ではまた現場でお会いしましょう

後記

湊真人社長のインタビュー記事を見つけました。
TOTO Case Study#4

LIGUNA/0 という施設の壁面緑化の植栽についての記事でしたがいつもの湊節全開でテキストを目で追っているだけですぐそばにいるような、、、やっぱりなにか人の心を揺さぶる特別な力を持った人だなと思いましたね

投稿者

kikujiro

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です