こんにちは菊次郎です。
この夏、大きなタイルテラスのご注文がありました。お客様のご希望からデザイン・設計、お見積もりをして7月上旬に着工となりました。 台風が来る前の一番気温が高い時期の施工だったので練った材料があっという間に硬化してしまう状況で材料管理がとても難しく施工スピードが落ちるばかりか日照りに焼かれて朝10時から午後2時過ぎの作業本番のタイミングで私自身も意識が朦朧となってしまい引き渡しの予定がだいぶズレてしまいました。
着工前は大きく育った庭木が日陰を作り小笹が生い茂る状況です

この広いお庭にタイルテラス23㎡を作る予定です。難しいのは材料の搬入経路です。ここへアクセスできる通路が建物脇の幅60cm、人も横歩きで進むようなわずかなスペースしかなく難易度の高い狭小運搬の現場です。
運び込む材料はダンプ2台分!どうすれば良いのか真剣に考えました。単に人員を増やすだけではコスト増になってしまうし、もっとスムーズに材料を運ぶ方法はないか?
そう!台車です。
しかし、台車で運びたいが下は砂利で人が押して進むことは不可能です

型枠で使った木材でレールを作り、スケートボードに収穫カゴをビス留めして前後にロープを括り付け2名で引っ張る事でカゴが移動します。文字にすれば大した発見ではないですがこの手作りレールによってどれだけ現場がラクになったか!! 砕石2㎥ 砂1.5㎥ セメント20袋 タイル17ケース。。。 ダンプ2台分の材料がこのレールで庭へ運び込まれました。もし、なかったら出来なかったと思います


壊れたボードを置き場で飾っていて、ふっと思いつきその場で加工しました。コンケーブ(板の反り)が無かったのもカゴの取り付けに最適でこんな使い方でしたがほんとーに作った甲斐がありました(笑)ありがたや

既存木の抜根は櫓を組んで上方向に1tの力を加えてセーバーソーで太い根を切断していきます。木も強くて小指くらいの根でもいくつか残ってると全然上がりません。丁寧に根を探りながら株ごと抜き上げます。抜けた瞬間は勝ったぞー!と叫びたくなるくらいの大仕事です。

植木も花壇も撤去してようやくタイルの下地工事が始まります。 発生材の搬出・材料の搬入にはアルバイトスタッフに声をかけて応援してもらいました。もう何度も手伝ってくれてる良い仲間で私とは父と息子くらいの歳の差ですが真面目で真剣な仕事っぷりが気に入っていて力仕事や材料搬入などいつもお願いしています。

現場の言葉で丁張りを出すと言います。簡単に言うと位置出しです。このライン通りにテラスが仕上がりますので正確かつ間違いの無い位置出しが大事です。この時点でテラスの実際の高さや水勾配も見えるようになります。

配筋して基礎コン打ってブロックを積みます。夕立ちに濡れながら積みました。午前中は暑くてヘロヘロになって午後はどしゃ降りでドロドロになって外仕事は楽じゃないですなー

やっとここまで来たなと、7月頭から2週間以上たってます。猛暑の中の1人仕事で若干バテ気味です。

まずはステップ周りを完成させます。300角と呼ばれるタイルは正確には300未満でできていて目地を含めて300サイズです。この材料は297mmなので3mmのスペーサを挟みますと300で下地とピッタリくるハズだったんですが、、
世の中甘く無いですわー、ちょっとした砂粒の巻き込みや製品のゆれなどで301になったり302になったり、それが13枚も並ぶとドンドン蓄積されて予定の位置より15ミリ以上ズレてきます。そんな事もあろうかと仕上がりより2cm下げて作ったのですが、ぜーんぜん意味無しです(笑)悔し涙が目に滲みます。あのミリで追った丁張りは何だったんだと。。
最終的には下地を削ったり盛ったりでもう大変でした。

涙の下地調整が終わり、いよいよタイル貼り本番! 炎天下であっという間にモルタルが締まっちゃうので舟で少し練って、貼っての繰り返しなかなか大変です。

正確に丁寧に、が売りの私ですから一枚一枚勾配をみてタイルの密着具合も確認して貼ってきました。長かったタイル貼りもいよいよこの階段周りでフィニッシュです。

タイルの目地入れも丸1日の作業でした。黒いタイルなんで拭いた目地セメントが乾いて白く目立つ!拭いても吹いても流しても残る!ブラック系タイルは難しいです。2回くらいサンポールで洗いました。



真夏の思い出になった大仕事!完成です。
小割のタイルを入れないで貼れるように設計し見た目にも気持ちの良いスムースなタイルテラスができました!この植マスには秋頃、アオハダを植栽をします。
いくつか難しい条件がありましたがなんとか乗り越え完成の日を迎えることができました。末長く楽しんでいただければと思います。